「応挙」を観る
きのうは、「円山応挙」展に行ってきました。
円山応挙は、江戸時代中期の日本画家。
「写生」を得意とし、色絵はハッとするほど美しい色使い。
墨絵も途轍もない描写力のなせる技か、スッと頭の中に色合いが浮かんできます。
筆遣いのタッチも構図も完璧で、「本物」の凄さに圧倒されました。
印象に残った作品を挙げると(こちらで一部見られます)
まず、「大瀑布図」。予想を超えた大きさで、水の飛沫さえ感じられた作品。
ちょうど滝壺のあたりで床に沿って折り曲げられ、滝の水がこちら側に
流れ落ちてくるかのような展示が良かったです。
次に、綾なす色彩が美しい「花鳥図」(大英博物館蔵)。
周りの空気まで凛とさせるような美しさ、細密な描写の「牡丹孔雀図」(重要文化財)。
さっと筆で引いた線と大きな余白に、想像力をかきたてられずにはいられない「氷図」
(大英博物館蔵)。
ふと画の前に立ったとき、その川のうねりに飲み込まれそうな
そんな錯覚さえ覚えた「保津川図」(重要文化財)。
川の流れくる音まで聴こえてくるかのような見事な描写力で、
最晩年の作品とは信じられないくらいの力強さを感じました。
それから、可愛らしい描写が印象的な「狗子図」の数々。
愛情がこもっていて良いなあと思いました。
筆遣いのタッチも、もちろん素晴らしかったです。
「猛虎図」は、むくむくした毛の描写も良かったけれど
「猛けしい」というよりは、なんだかユーモラスな感じ。
「布袋図」の布袋さまも、美味しいものを食べて太りすぎちゃった
円満な性格のニコニコしたおじさんといった雰囲気で、逆に好感が持てました。
圧巻は何といっても、大乗寺の襖絵
「松に孔雀図襖絵」「郭子儀図襖絵」「山水図襖絵」(いずれも重要文化財)。
以前、大乗寺のHPで見て以来本物が見たくて仕方なかったので
事のほか嬉しく、想像以上の素晴らしさに感動しました。
まるで広間にいるかのような贅沢な展示。
美しい色彩と卓越した人物描写の「郭子儀図襖絵」
描写もさることながら、構成も巧みな「松に孔雀図襖絵」
これらの襖絵を観ることができただけでも来た甲斐があったと思いました。
大乗寺のHPによると、重要文化財の襖絵165面は、平成16年4月をめどに
収蔵庫に移動され、かわりにデジタル再製画(精巧なレプリカ)を客殿に納める計画
ということでした。
この特別展は「江戸東京博物館」で 3月21日(日)まで。
パンフレットによると円山応挙の重要な作品のほとんどを網羅したとのこと。一般1200円でした。
なお、「大乗寺 円山派デジタルミュージアム」が2月1日に開設されています。
「客殿めぐり」は、全ての部屋の各作品を拡大画像で見ることができ
解説も読み応えがあって面白かったです。
「客殿検索」では、さらに大きく「原寸の約1/2のサイズ」(!)で閲覧でき
観応えがありました。
(ちなみに今回観た襖絵は、孔雀の間・芭蕉の間・山水の間のもの)
晩御飯は、夫のすすめで王子の駅からほど近くの「あがれや」へ。
薄味ですが、だしの程よく効いた「おでん」を頂きました。
「つみれ」「つくね」がとても美味しかったけれど
珍しい「トマトのおでん」も意外によかったです。
日本酒は、「大山」(純米酒)。
すっきりとして飲みやすかったです。
■あがれや
住所:北区王子1-5-11 2F
TEL:03-3927-8525
営業時間 17:30~23:00 月曜定休
参考になるHPは 「こちら」。
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