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東京美術倶楽部 「大いなる遺産 美の伝統展」 に行く

きのう(2/13(月))は、芝・御成門の 東京美術倶楽部 で開催されている 「大いなる遺産 美の伝統展」 に行ってきました。

■会期は2月5日から2月26日まで。期間中は無休。9~19時(金曜日は20時まで)。期間中展示替えあり。たとえば、雪舟筆「秋冬山水図」(国宝)は15日まで。
 開催要項、 地図 (都営三田線 御成門駅、御成門の交差点から愛宕警察方面に歩いてすぐ)

この展覧会は、東京美術倶楽部 創立100周年記念の特別展。

この展覧会が ビジュアルで詳しく紹介されている 家庭画報3月号の特集記事によれば、
「美術商の100年を俯瞰する記念展」 ということで、「美術商がかかわって美術館・博物館、さらには個人コレクターに所蔵されるに至った優れた美術品が一堂に会する壮大な展示内容」 とのこと。

会場は、
「国宝を中心とする古美術の名品」
「日本近代絵画の巨匠たち 知られざる名品を集めて」
「近代工芸の創生 新たな美を求めて」
の三部門に分かれていて、とても見ごたえのある素晴らしい展覧会でした。
出品作品リスト)。

行くきっかけは、きのうの昼下がり、家庭画報3月号の特集記事を眺めていたら、私の大好きな菱田春草の作品が紹介されていたので、居ても立ってもいられない心持になったからでした。
こちらの特集記事には 興味深い解説があり、写真も綺麗。 でも、実際の展示は、雑誌のように美しく床の間に飾られているわけではありません(笑)。

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今回の記念展のために特別出品される 「柿に猫」 は、菱田春草が38歳で亡くなる、その前年の制作で、長年所在不明になっていた作品 (個人蔵)。

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重要文化財に指定された 「黒き猫」 (永青文庫蔵) も大好きな作品ですが、 こちらの猫の作品も、 しんとした晩秋の風情と猫の描写が素晴らしく、 思い立って即、美術展に足を運んでみて本当に良かったと思いました。

上の写真右の 上村松園 の 「櫛」 (個人蔵) は 20数年ぶりの展示とのこと。 大変美しい作品でした。


以下は、特に印象に残った作品です。

*岸田劉生 「二人麗子図 (童女髪飾図)」 (泉屋博古館分館蔵)
暗い画面に浮かび上がる童女の白い肌と赤い着物。細部の一部分を見るとかわいらしいのに、独特な雰囲気がたまらない、かなり魅かれた作品でした。

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*源氏物語絵巻 鈴虫(第二段)の詞書の一部分
(国宝。 五島美術館蔵。この展示は2月15日まで。もちろん絵もあります)。
金箔をちらした美しい料紙に、詞書の流麗な仮名文字の筆跡が美しく、平安時代に書かれたこの巻物がよくこんなに美しく残っていたことに感動しました。

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*鏑木清方 「いでゆの春雨」(個人蔵)
しっとりした風情。 繊細な女性美が描かれた作品。

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*速水御舟 「びなんかずらにるり図」(美男桂に瑠璃図)(個人蔵)。
絶妙なバランスで配置された美男桂の蔓と葉と実、そして瑠璃。 色彩も美しく、 図版解説によれば、「写実性と装飾性が見事に融合」された、御舟晩年の作品。

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*小野道風・藤原行成とともに 「三跡」 にあげられる 藤原佐理 (ふじわらのすけまさ)の 「書状 (離洛帖)」 (畠山記念館蔵)の書も、 私はあまり書は詳しくないですが、 なにしろ国宝ですし (・・汗)、 筆の運び、勢いに、非凡な感じを受けました。

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*豪華な箱入りの図版(¥2,500)。解説もしっかり書いてありました。かなりずっしり重いので、宅配もOKとのことでした。

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平日午後3時すぎだったせいもあると思いますが、 全然混んでいなくて、 自分の好きな作品を目の前でじっくり鑑賞でき、 かなり贅沢な時間を過ごすことができました。
展示替えがあるので、16日すぎに、また行かれればいいなと思っています。

東京美術倶楽部 公式ウェブサイト

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コメント

はじめまして。「大いなる遺産 美の伝統展」、行こうかどうか迷っていたのですが、こちらのブログを拝見させていただいて俄然行ってみたくなりました。とってもきれいですね。また、こちらのブログに寄らせていただきます。

投稿: アニス | 2006.02.15 09:44

>アニスさん、

はじめまして。私は、NHK3ch.日曜美術館で放送した「名品流転~コレクターの興亡と美術商~」を見て面白そうだなーと思っていましたが(ちなみに、1Fで10分ほどにまとめられたビデオが上映されています)、やっぱり雑誌で見た日本画の美しさが、この展覧会に行く最大のきっかけになりました。

ブログに書ききれなかったのですが、中国の古陶器の名品、曾我物語や鈴木基一の屏風、奈良時代の鮮やかな絵因果経(国宝)などなど、見ごたえのあるものがたくさんありました。書いていたら、私まで展示替え後忘れずに行かなければ~と思ってしまいました(笑)。

アニスさんのブログ「小春日和」、そのタイトルどおり、あったかい気持ちになれました。わたしもまた寄らせていただきます。

投稿: きのこ | 2006.02.15 11:31

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