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「美の求道者 安宅英一の眼 ― 安宅コレクション」@三井記念美術館

10/31(水)は、グレン・グールドの映画を観たりした後、 日本橋 三井本館7階にある 三井記念美術館 で開催されている特別展 「美の求道者 安宅英一の眼 ― 安宅コレクション」 を鑑賞しました。
(この特別展は、10月13日(土)~12月16日(日))
開催中の展覧会 (割引引換券の印刷ページ)
安宅産業

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「国宝2点 (油滴天目、飛青磁花生)、 重文11点を含む、 世界屈指の中国・韓国陶磁の名品を約30年ぶりに東京で公開」 とチラシに書いてあるように、現在、「大阪市立東洋陶磁美術館」 に所蔵されている、 大阪安宅産業の元会長、安宅英一氏が収集した約1000点の作品のなかから、 名品126点を選りすぐって展示するもので、 とても見応えのある展覧会でした。

展覧会では、収集当時のエピソードが詳しく書かれていて、 いずれも興味深いものばかり。
エピソードは、 安宅氏のもとでコレクションの収集に関わった伊藤郁太郎氏 (大阪市立東洋陶磁美術館館長)によるものです。

ことに印象に残ったのは、 韓国陶磁のすぐれたコレクターY氏から入手した 「粉青粉引 祭器」 のエピソード。

Y氏のご子息が安宅産業に入社した際、 音楽会とその後の食事に誘うなどして厚遇し、 いわばY氏の「外壕を完全に埋める」形で、 Y氏の手元にあったもう一つの名品 「白磁透彫蓮花文盆台」 の入手に成功したとか。
伊藤氏も書いていますが、 安宅氏の入念な計算、なんとしても手に入れたいという、コレクターとしての執念を感じるエピソードに、 ここまで来れば、あっぱれという気持ちさえ沸いてきました。

それから、 「重要文化財 白磁刻花 蓮花文 洗」 について、 古美術店 「壷中居」 の創業者 広田不孤斎氏が特に秘蔵し「三種の神器」とまで称していた名品の一つを、 最終的には譲るに至ったエピソードも、 安宅氏の周到な作戦勝ち。

他にも、感嘆させられる興味深いエピソードがいろいろあって、 そのエピソードとともに作品を鑑賞すると、いろんな思いまでが伝わってきて、単なる芸術鑑賞に終わらないところが、 この展覧会のツボでした。

でも、後に人手に渡ってしまったコレクションについて、 安宅氏は、 「コレクションは誰が持っていても同じでしょう」 と言ったとか (カタログ解説、[論考] ものをして 語らしむ―安宅英一の美学/伊藤郁太郎)。

コレクションとして完成させることに意義があり、 自分はそれを成し遂げたという達成感。 単なる物欲を乗り越えた境地に至ったところに、 しみじみ感じ入るものがありました。

★カタログ解説も読み応えがありました。006_0701031_012

※余談ですが、 前掲の、 古美術店 「壷中居」 の創業者 広田不孤斎氏については、 「骨董裏おもて」というエッセイが、 非常に骨董の勉強になり、 面白かったです。 ブログでこの本を紹介しておられた susanさん、 どうもありがとうございます。

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コメント

ご紹介をいただきたいへん有難うございます。
susanでございます。

骨董に関心を持ってから学者や骨董屋さんの書かれている本を読んでいたのですが、格調高い不孤斎を読んだところ、私は骨董の世界に足を踏み入れてはいけないのだ、と目が覚めました。
ほんとうに、読んで良かった格別な1冊でした。

ところで、
美術館で見るだけならいいわよね、と私も安宅映一展、行って参りました(^^)v
おっしゃるとおり、この展覧会ではエピソードが豊富に語られているのがとても素敵で、安宅さんってどんな方だったのかしらとか、その時代の雰囲気はどんなだったのとか、想像が広がりました。
日本橋三井記念美術館自体も素晴らしかったです。帰りはマンダリンのケーキや三越のお惣菜も買って帰れますし・・・(^^♪

投稿: susan | 2007.11.03 09:23

susanさん、こんにちわ。

susanさんがこの展覧会のことをブログで書いていらしたので、忘れないうちに行かなければ~、と思って見に行きました。susanさんのお陰で見逃さずにすみました。
また、この展覧会で、安宅氏と不孤斎氏とのエピソードが出てきたので、そういえばsusanさんが紹介されていた不孤斎の本があったなと思い出したのでした。
susanさん、改めましてどうも有難ございます。

>安宅さんってどんな方だったのかしらとか、その時代の雰囲気はどんなだったのとか、想像が広がりました。

いろいろ想像をめぐらすことができて、面白かったですよね。安宅産業のことも調べてみたいと思いました。

ところで、不孤斎の本は、いくつもの具体的なエピードとともに、それに対する彼の考えが率直に語られていて、いろいろ勉強になる本でした。

>私は骨董の世界に足を踏み入れてはいけないのだ、と目が覚めました。

たしかに、「鋭い鑑識と洗練された審美眼」を磨いて真贋をみきわめるのは容易ではなさそうですね。着物を買うのと同じように、いい骨董屋さんに出会って買うことができればいいのですが・・。
私は、最初からsusanさんの「格別な1冊」に出会えて幸運でした。

ところで、三井記念美術館自体もいいですよね。あの如庵を再現したお茶室に骨董を置いてみると、本来あるべき位置に置かれたようで、雰囲気が違って見えました。

マンダリンのケーキ、私も大好きです。あのお店の雰囲気もステキですよね。最初はちょっと緊張しちゃいましたが(笑)。
三越は、リニューアル後はさらに地下にお店が増えたから目移りしちゃうし、ぐるぐる歩きまわってわけがわからなくなったり(笑)。ともあれ、あの充実ぶりは助かりますね。
私は、近くある刃物の「木屋」でバーゲンをやっていたので、チーズ削りとか買ってました(^^)。

投稿: きのこ | 2007.11.04 01:50

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