青木玉 「着物あとさき」、 川上弘美 「どこから行っても遠い町」
最近読んだ&読んでいる本です。
一番左にある 須賀敦子 著 「ミラノ 霧の風景」 は、本日中に読了予定。
きのうの昼は、幸田文の娘さんの青木玉 著 「着物あとさき」 (新潮文庫)を読了。
お母様の幸田文の着物や帯、祖父の幸田露伴が遺した黒い羽織りを、 娘さんの青木玉さんが、染め替え、見事に甦らせる職人の技を写真付きで紹介。
実際に 「湯のし」「色抜き」 「雪晒し」 、機械で布を織っているところを訪ねたり。
昔は、家の庭先などで普通に行われていた 「洗い張り」 の思い出など。
受け継がれる着物たちには、いろんな思いが詰まっていて、それに思いを馳せつつ、職人の技によって、さらに愛着を持って着られるように甦らせる。
それを着ていた親への思い、 布への愛情が伝わってきて、心温まる思いがしました。
同じ新潮文庫から出ている 「幸田文の箪笥の引き出し」 も、 箪笥に詰まった母の思い、それを感じる娘の心が伝わってきて、 しみじみ。
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思い返せば、今年は、母から桐の箪笥を受け継ぐことができて、とても良かったと思います。
母の着物の何着かは、 私の寸法に合わせて直して、八掛を付け直したり、 居敷当てをつけたり。 あるいは、派手な着物をほどいた絹地で、長襦袢を仕立ててもらったり。
仕立て直しも案外出費がかかりましたが、 受け継いで着られるのが着物の良さ。
父や母に、着物のことを教えてもらったり、 着物をめぐっていろいろ語り合うことができました。
来年は、もっと着物を着る機会を増やして、両親にも、 出来あがった着物を見せないと・・・。
今年は延岡の夫のお母さんからも、私の誕生日に着物と帯を送って頂きました。
夫の両親が東京に遊びに来た際、 その着物と帯をつけて食事することができ、本当に良かったと思います。
この着物と帯は、いずれ折を見て、夫の姪っこさんにお渡しできればと思っています
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真ん中は、 川上弘美 著 「どこから行っても遠い町」。
一見、穏やかに見える小さな商店街に暮らす人々。
でも、そこには一言では語りきれない、あたりまえではない人生の数々。
そして、 ますます川上弘美ファンの私。
川上弘美さまといえば、 以前、丸の内オアゾの丸善にサイン会に行ったときのことを、思い出します。
あんなにほっそり美しい方が、 奇想天外な話や、 心温まる話、 想像力をかきたててやまない話を書くのかと感嘆。
握手して頂いた思い出とともに、 川上弘美さまのサインは私の宝物です。
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