「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」 と ラファエル前派
この秋に行った西洋絵画の美術展をまとめてアップしておきます。
10/24(金)は、渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム で開催されていた 「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」(2008/8/30 ~ 10/26まで)。
ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millais, 1829-96 wiki)は、イギリス王室の属領であるジャージー島の裕福な家の出身。
ロイヤル・アカデミー (王室美術学校)時代、 ルネッサンスの西洋絵画の巨匠、ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi, 1483 - 1520 wiki)以降、時を経るうちに形成された古典偏重、アカデミズムの弊害に陥り、様式化、硬直化した美術教育に不満を抱いたミレイが、 ウィリアム・ホルマン・ハント(1827 - 1910)、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828 - 1882)らとともに 「ラファエル前派兄弟団」(Pre-Raphaelite Brotherhood, P.R.B)を結成。
自然をありのままに再現し、中世や前ルネッサンスの時代の絵画を模範としたヨーロッパ・ロマン主義の影響を受けつつも、独創的なアイディアに重きを置きました。
その後、数々の批判にさらされながらも、 傑作 「オフィーリア」を発表。
これが、あの有名なオフィーリア! とまず感動。 細密な自然描写が素晴らしかったです。
★物議をかもした 「両親の家のキリスト」。 あまりに自然で細密な描写に驚きました。
★美しい 「マリアーナ」。
窓辺の植物、机に落ちた落ち葉など、細かいところにまで行き届いた細密な描写に圧倒されました。
美術評論家ジョン・ラスキン(John Ruskin, 1819 - 1900 wiki) が最も影響を与えた人物とされるも、その後、ミレイがラスキンの妻エフィと恋に落ち、ラスキンとエフィの離婚後、二人は結婚。
★この「ラファエル前派―ヴィクトリア時代の幻視者たち (ローランス・デ・カール著、 創元社「知の再発見」双書)」)が、図版が数多く掲載されていて、ウィリアム・モリス、 ビアズリーへと至る流れをコンパクトに解説。とても参考になりました。
展覧会に行くだけでなく、 図版の詳しい解説を読んだり、 いろいろ本で勉強すると、 今まで見てきた絵画表現との繋がりがわかり、大変面白かったです。
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