ブリューゲル「バベルの塔」@ウィーン美術史美術館 08
「デューラー「聖三位一体の礼拝 (ランダウアー祭壇画)」@ウィーン美術史美術館 07」のつづき。
ウィーン美術史美術館には、世界最大級の規模を誇る 「ブリューゲル・コレクション」があり、中でも、旧約聖書に出てくる「バベルの塔」が最も有名な作品でしょう。
非常にたくさんの人々が細密な描かれており、時間をかけてじっくりみることができ、とても良かったです。できれば
もっと見ていたかったくらい。
ピーテル・ブリューゲル(父)「バベルの塔」 "The Tower of Babel"(1563), by Pieter Bruegel the Elder.
この絵については、中野京子著「中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇」の解説が詳しく参考になりました。
さて、ピーテル・ブリューゲル (Pieter Bruegel, c.1525/1530-1569) はフランドル、現在のベルギー、アントワープ、ブリュッセルなどで活躍。
皇帝ルドルフ2世 (Rudolf II)」(1552-1612, 神聖ローマ皇帝在位 1576-1612) のすぐ下の弟、エルンスト・フォン・エスターライヒ (エルンスト大公 Erzherzog Ernst (III.) von Österreich 1553-1595) はスペイン領ネーデルラント総督となり、そのときにブリューゲルの作品に出会ったのが収集のきっかけ。 その収集作品は、その兄、皇帝ルドルフ2世のコレクションとなりました。
ブリューゲルの連作月暦画 「12ヶ月図」のうちの一つ、「雪中の狩人」 "Hunters in the Snow (Winter)"(1565), by Pieter Bruegel the Elder.
C.H.ベック「ウィーン美術史美術館 絵画」の解説によれば、「12ヶ月図」は、1566年にアントワープのニクラース・ヨングリング公の個人蔵であったが、その財産をアントワープ市に対する担保にした結果、アントワープの所有となり、その後の1594年、アントワープ市は6枚からなるシリーズを、スペイン領ネーデルラント総督エルンスト大公に寄贈。その後、ルドルフ2世のコレクションに。
なお、「12ヶ月図」のうちの一つ、「干し草の収穫」は、プラハ城の中にある「ロブコヴィッツ宮殿」http://www.lobkowicz.cz/ に展示されていて、今回のウィーン&プラハ旅行で、実際にこれを見ることができました。
★ブログ記事:「プラハ城 ロブコヴィッツ宮殿 クラシック・コンサート」
.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°
ピーテル・ブリューゲル(父)「子供の遊戯」 "Children's Games"(1560), by Pieter Bruegel the Elder.
ピーテル・ブリューゲル(父)「農民の婚宴」 "Peasant Wedding"(c.1568), by Pieter Bruegel the Elder.
ピーテル・ブリューゲル(父)「謝肉祭と四旬節の間の喧噪」 "The Fight Between Carnival and Lent"(1559), by Pieter Bruegel the Elder.
たくさんの人物一人一人を見ているだけで、結構時間がかかります。
ブリューゲル・コレクションのある部屋。 ウィーン美術史美術館は天井が高く、ソファーが中心にたくさんあり、休憩しながら見られたのが良かったです。
つづきます。「ルーカス・クラナッハ「楽園」その他 @ウィーン美術史美術館 09」
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント