「国立図書館プルンクザール」を見学する
「ウィーン王宮 ヨーゼフ広場、国立図書館プルンクザールへ」のつづき。
「世界一美しい図書館」との呼び声も高い、かつての王宮図書館。バロック様式。
「オーストリア国立図書館プルンクザール (Der Prunksaal der Österreichischen Nationalbibliothek)」(State Hall) の中を見学。
http://www.onb.ac.at/prunksaal.htm (英語版)
「プルンクザール」 の Prunk (プルンク) = splendor, magnificence (豪華)、Saal (ザール) = Hall (広間) の意味。英語では、"State Hall"と訳されている。 王宮の中では、最も行ってみたかった場所でした
月曜定休。 月曜休み。10時から18時まで(木曜は21時まで)。http://www.onb.ac.at/ev/services/oeff.php
入場料金は、一般 7,00 euro (2014/01現在) 19才未満無料(Free admission to all museum areas for children and young people under 19 years.)
アクセス・マップは、こちら
入口入って左側にあるチケットオフィスでチケットを購入。左側にある階段を上った先には、
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外からは想像もつかないほど、壮麗、豪華。 このバロック様式の内装に目を奪われる
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宮廷図書館、現在のオーストリア国立図書館は、女帝マリア・テレジアの父、カール6世 (Karl VI.,1685-1740, 神聖ローマ皇帝在位:1711-1740) の命により、1723年から1735年にかけて建築。
そして、「プルンクザール」は、有名な宮廷建築家ヨハン·ベルンハルト·フィッシャー·フォン·エルラッハ(Johann Bernhard Fischer von Erlach) の計画に基づき、彼の息子ヨーゼフ・エマーヌエル(Joseph Emanuel)によって、1723年から1726年にかけて建てられました
http://www.hofburg-wien.at/en/things-to-know/vienna-hofburg/a-brief-history.html
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天井のフレスコ画、ぎっちり詰まった本棚
、そして、床の模様
なんて、美しい図書館 ひょっとしたら、世界一美しいかも。。
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もっとも、床の模様だけは、イタリア・フィレンツェにある 「ラウレンツィアーナ図書館」(Laurentian Medici Library, Florence, Italy)の閲覧室。 あの、象眼細工のように繊細で美しい模様に軍配が上がるだろう。
ただし、ラウレンツィアーナ図書館の閲覧室。 その保護のため、見学のための通路として絨毯が敷かれていたのがすっごく残念でたまらなかった(2008年夏、私の両親と見学)。 この図書館は、メディチ家出身のローマ教皇、クレメンス7世の依頼で、ミケランジェロが設計したもの。 http://www.museumsinflorence.com/musei/Laurentian_Library.html
「ラウレンツィアーナ図書館」 の閲覧室の床の模様が合体したら・・・、なんて妄想してしまう。
ちなみに、"最も印象的な古代写本コレクション20" (The 20 Most Impressive Ancient Manuscript Collections) の2位にラウレンツィアーナ図書館、4位にオーストリア国立図書館のパピルス博物館が選ばれています。
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余談はさておき、「プルンクザール」の天井クーポラのフレスコ画の素晴らしさよ
この宮廷画家ダニエル・グラーン (Daniel Gran) による天井のフレスコ画は、1730年に完成。
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そして、クーポラの下には、この図書館が作られた歴史のアレゴリーとして、芸術と科学の保護者にしてパトロンたる、「カール6世」(女帝マリア・テレジアの父)の、ヘラクレスの姿に神格化された像が中央に置かれている 「これでどうよ!」 みたいな(笑)。
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それぞれ本の高さにあわせて、きっちり本が収納された木製の本棚。まさに 匠の職人芸
中二階にも本棚があり、係員の人が、リクエストのあった本を取り出したりしていた。 ここにある本は、係員以外は触れてはいけないことになっている。
本棚から天井につながるアーチ。そのフレスコ画も、緻密にして華麗 それは、まるで3D画像!!絵が浮き出して、空に漂っているかように見える。
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中央クーポラの下のオーバル部分の四隅には、古い地球儀が置かれてる
中野京子著「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)にも書かれているとおり、ハプスブルク家のの最盛期、地球上、24時間、その植民地を含む領土は、ずっと太陽に照らされていたわけで、まさに「日の沈まぬ王国」だったのだ
今日、「プルンクザール」には、1501年から1850年にかけて収集してきた、約20万冊 にも及ぶ本。 この中央オーバル部分にある 「オイゲン公」 (Prince Eugene of Savoy, 1663–1736) の1万5千冊のコレクション
が所蔵されている
http://www.onb.ac.at/ev/state_hall/statehall_about.htm
そして、オイゲン公のコレクションの中でも、最も価値があるとされているのが、「Tabula Peitomgeroama」。12世紀に模写された古代ローマ時代のストリートマップ。 プルンクザールのガラスケースに展示されていた。
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ところで、「オイゲン公」といえば、オスマン帝国 (オスマン・トルコ) による「第二次ウィーン包囲」の危機的状況を回避し、スペイン承継戦争でも活躍した人物で、現在、世界最大規模のクリムトコレクションがあることで有名な 「ベルヴェデーレ宮殿」を建てたことでも有名だけど、その知見の高さも想像に難くはない。その蔵書の数だけで満足したのでない限り・・・。 ハプスブルク家に、お抱えの学者がいたように、きっと良きアドバイザーがいたと思う。
★オイゲン公については、「ウィーン 「ベルヴェデーレ宮殿・上宮」 Schloss Belvedere ,「オイゲン公の冬の宮殿」 Winterpalais Prinz Eugen」。
今年、2014/04月公開予定の映画、「神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃」 (11 settembre 1683, The Day of the Siege) での、「第二次ウィーン包囲」でのオイゲン公さまの活躍も楽しみなり
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他にも、美しい中世の写本や、歴史的に重要な写真の数々が展示されていて、大変に興味深かった。
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ところで、オーストリア国立図書館の公式サイトでは、http://www.onb.ac.at/ では、デジタルアーカイヴが一般に公開されている。
★"Digitaler Lesesaal"(ディギタール・レーゼ・ザール) 「デジタル閲覧室」
http://www.onb.ac.at/bibliothek/digitaler_lesesaal.htm
たとえば、"Bildarchiv Austria" 「オーストリアの写真アーカイブ」(Bild ビルト = 絵・写真 picture、archiv アルヒーフ = archive) の "Schnellsuche" 「クイック検索」(Schnell シュネル = 速い、Suche ズーヘ =探すこと => Quick Search) 。
"Nationalsozialismus" (ナツィオナール・ゾツィアリスムス) = 「ナチズム」 を検索すると、戦前のオーストリアにおける、ナチズムに関する写真を検索することができる。
古い資料をただ蔵書するだけではなく、一般人も、公式サイトから自由に閲覧できるようにしているところが、本当に素晴らしい!!
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そして、もしここで閲覧可能だったら、何時間でもいられそう
規模においても、その華麗さにおいても、歴史的にもの凄く貴重な図書館。 実際、ここに来ることができ、本当に良かった。
というわけで、他の観光客の人と、記念撮影の撮りっこ
そして、写真満載のオーストリア国立図書館のガイドブックを購入(英語版 8,00 euro。日本語版は無し)。
つづきます。「「アウグスティーナー教会」 ハプスブルク家の心臓埋葬」
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