カテゴリー「書籍・雑誌」の19件の記事

「神饌 - 神様の食事から“食の原点”を見つめる」 南里空海 著  

この 「 神饌 ― 神様の食事から“食の原点”を見つめる」 の著者の南里空海 (なんりくみ)さんは、私のヨガのつながりの方。 お話を伺う機会に恵まれ、縁あって、この本を贈っていただきました。
下の写真右のこの本は、「家庭画報」 2010年2月号、4月号、7月号、10月号に掲載されたものに大幅加筆、諏訪神社の項を追加し、単行本化されたものです。
001_110413_003

「神饌 (しんせん)」とは、豊かな実り、自然の恩恵に感謝し、神様に差し上げるお食事のこと。 この神饌のお下がり、もしくは同じものを共にいただく 「直会 (なおらい)」は、「神と人との一体感を保つ」ものとされています。
神社に参拝した後にいただく、お米が材料とする 「お神酒 (おみき)」にその一つ。

本にも書かれていますが、「神」や「神社」というと、特定のイデオロギーや宗教にかかわるものと、ちょっと引いてしまわれる方がいらっしゃるかもしれませんが、「大いなるもの」に対して祈る行為は、きわめて普遍的なことですね。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

伊勢神宮に関しては、以前執筆された 「 伊勢の神宮―祈りの心・祭りの日々 日本人の原点回帰を求めて 」 が非常に詳しく、北白川大宮司へのインタビュー、神饌を作る現場の取材もあり、ビジュアルも充実して読み応えがありましたが、今回の「神饌」では、この伊勢神宮をはじめ、18の神社の神饌の特別公開。

日本の食文化と「食」の歴史といえる 「神饌」。 そのうちの、煮炊き、調理された 「熟饌」 あるいは 「特殊神饌」を献供している日本各地18社を実際に訪れ、その神事、神饌に関わる人々にも数々のインタビューをされ、とても丹念な取材をされていました。

「直会」、「神仏習合」などの解説もあり、単なる資料としてだけでなく、読み物としても、かなり読み応えがありました。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

この神饌は、その多くが非公開とされ、その取材、写真撮影には困難をきわめたとのこと。

それだけに、外からは伺い知ることができない、特別公開された神饌の数々が紹介されているこの本は、かなり貴重な文献といえるでしょう。

そして、こんなにさまざまな種類のお食事、地域によっても違うものが供されてきたとは。 しかも、伊勢神宮では、古来より朝・夕毎日、調理されたお食事が神様に供されていたとは、まったく、驚かずにはいられませんでした。

また、神饌を脈々と作り続け、これを伝えてきた人々、各地によって違う食文化、歴史にも、とても興味をひかれました。

「食の原点」は、豊かな実り、自然の恵みに感謝し、美味しく食べていただきたいという真心と、 それを共にいただくという気持ちに重点があるのでは、と思いました。 それこそ、現代の日本に欠けてきているものかも。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

ところで、ビジュアル面では、細部までわかる、あの豪華な月刊誌の大見開きを使った大判の写真にはかなわないものがあったものの、雑誌では小さくしか出ていなかった写真が、より大きく見やすく拡大されていたり、新たに追加された写真もたくさんあって、見応え十分。

もっとも、雑誌に掲載されている写真と本を一緒に見たら、さらに面白かったです。
002_110413_001

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

ところで、大震災による津波により集落が破壊され、それに伴う福島原発の放射能漏れにより、農耕、牧畜、漁業に甚大な被害が及んでいる危機的状況。 古来より、日本は数々の自然災害にみまわれてきたけれど、今回の 「食」 にまつわる危機、風評を含めた被害はとりわけ深刻なもの。

いにしえより、日本人は神様に祈って豊作豊漁を願ってきたけれど、神様でもどうしようもできない天変地異と人災だったのでしょうか。復興を心よりお祈り致します。


神社本庁
http://www.jinjahoncho.or.jp/

★追記 (2012/3/8)
料理本のアカデミー賞と言われる『グルマン世界料理本大賞で、2012年 日本人2名受賞!!』 Kitchen Life Pub.の記事 http://www.kitchenlife.jp/tomato/?p=1395 によると、
その2名のうちの1名が、南里空海さん!
そのCULINARY HISTORY部門で世界第3位受賞作が、こちらでご紹介させていただいた 南里空海著「神饌 - 神様の食事から“食の原点”を見つめる」(世界文化社)です。おめでとうございます!
これを機に、さらに広く世界中で読まれますよう。 翻訳本の出版も期待しております。

★追記 (2012/5/25)
2012年5月25日、著者の南里空海さんが、財団法人 神道文化会から神道文化功労者として表彰され、授賞式が行われるそうです。 神道文化奨励賞、受賞おめでとうございます!

私は、普段の生活からはうかがい知れない、日本古来の神道という文化を、「神饌」の本を通じて深めることができました。
もっとも、神前に供える「神饌」は、神道という単なる一宗教の枠を超え、自然の恵みに感謝し、「いただきます」「ごちそうさまでした」、という日本の良き習慣につながるもので、それは、「食の原点」として、今また見直されるべきではないかと思いました。


| | コメント (0)

「『バガヴァッド・ギーター』―神に人の苦悩は理解できるのか?」赤松明彦

週一、ギーター(インド哲学)クラスに通うようになって、本を読んだだけではいまいちピンとこなかったことがわかったり、ヨーガの教え、カルマの法則など、知る喜びを味わっている今日この頃です。

先日のヨガの帰り、神保町の岩波書店にふらっと立ち寄ってみつけたのが、『バガヴァッド・ギーター』―神に人の苦悩は理解できるのか? (書物誕生―あたらしい古典入門)
赤松明彦 (著) (岩波書店)。
001_090825

その内容は、

第一部 書物の旅路 「バガヴァッド・ギーターの誕生」

1,インド文化における「口伝」(口頭伝承)の重要性と、ヒンドゥー教の中で、その宗派を超えて愛唱されてきた「聖典」、バガヴァッド・ギーターの誕生。
・・・ギータークラスでも、サンスクリットの原典をみんなで唱和しているし、インド大使館の前任のシュクラ先生は、レッスン中のメモを許さず、アーサナの名前を暗誦させられたっけ。

2,古代インドの大叙事詩 「マハーバーラタ」の一部であるバガヴァッド・ギーターの原型、その位置づけ。

3,1823年ラテン語訳と注釈をつけたシュレーゲルと、デーヴァナーガリー文字の印刷。出版と新しい学の誕生。その翻訳をめぐる論争。

第二部 作品世界を読む 「人の苦悩と神の変容」

1,神の表象をめぐるフンボルト、ヘーゲルの論争。
・・・このヘーゲルの論述部分は、「極めて暴力的な読解といえなくもない」と赤松氏が評しているように、我田引水的で的を得ていないため、ナナメ読みしてもよいかも!?

2,非暴力を貫いたカンディーの実践的読解、シモーヌ・ヴェイユとの対比。
・・・カンジーがはじめてギーターを読んだのは、ロンドン留学中の20歳の頃で、しかも英訳ってところが意外。

3,最後の、最終詩節における神の変容。 神自らが人間の救済に乗り出す、「自力から他力への劇的変化」。
・・・この本のキモだと思われる部分。

ギーターの重要なポイントを抜き出され、定評ある上村訳より、より読みやすい日本語訳と、わかりやすい解説により、その作品世界が読み解かれているところが良かったです。 一日で読了できました。

バガヴァッド・ギーター 上村勝彦訳(岩波文庫)
バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 上村勝彦 著(ちくま学芸文庫)
とともに読むといいと思いました。

ヨーガというと、 ストレッチなどのアーサナばかりを連想しがちだけど、 ギーターでは 「ヨーガに立脚して諸々の行為をせよ」 というカルマヨーガの教えが重要視されていて、結構深いものがあります。

ダライ・ラマ 死と向きあう智慧でも、 チベット密教が、 ヨーガの修行を重視して、チャクラについて解説されていたので、 再読予定。
死の恐怖を克服し、死のプロセスを利用してより高い境地へ到達するための 「無上ヨーガタントラ」 の奥義が書かれています。

| | コメント (0)

「断る力」

おととい、たまたま書店で、勝間和代 著 「断る力 (文春新書)」 を見かけ、自分自身、いろんなことをお断りするのは結構パワーが要るなと思っていたので、参考になるならと思い、購入。 ★勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!
001_090311
 
その中で、和田 秀樹氏のココロクリニカ [シゾフレ・メランコテスト] が紹介されていたので、やってみました。
和田秀樹のココロクリニカ [シゾフレ・メランコテスト]

さて、 その結果は・・・
きのこさんは、ややメランコ的なところがあります。
 どちらかというとしっかりとした自分を持っている人です。
まわりの意見を聞きながら、自分の意見を崩さないで、よりよい自分にしていくためには、有利なスタンスにあると言えます。

 他人の意見に流されず、多少にしっかりしたところがありますが、まだまだ自分へのこだわりも強く、ちょっとしたところでトラブルが起きるかもしれないので要注意。

あなたのメランコ度、シゾフレ度は以下の通りです。

メランコ度
44%
シゾフレ度
20%

・・でした。このテストで流されない自己を確認。 20%は同調する部分はあるけど、これからも自分の心の声を聞いて、いろいろ判断、実行していければと思った次第です。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

ところで、インド大使館のヨガ教室のシュクラ先生は、ヨガでは、自分の心の声を聞くこと、の大切さ。
そして、今度の新しいヨガ教室のシン先生は、ヨガをするにあたって、 外部に意識を向けるのではなく、 自分の内面に意識を向けること。
具体的には、自分の身体 (身体の各部、 負荷をかけたとき、反対に緩めたときの両方への意識) “Body”、 呼吸 “Breathing”、 意識 “Conscious” を 観察 “Observe” するほか、 Try to feel the “Life” の大切さを強調していらっしゃいました。

この考えに同調している私ですが(笑)。 それはさておき、現実に、ある判断・決断がせまられる過程において、他者の考えに従属することなく、 自分の内面の声を聞き、 自ら判断・決断することは大切だと思います。

勝間さんの本では、揺ぎない自分の軸をもった上で、「断る力」 を養い、他者と忌憚の無い、よりよいコミュニケーションを図ることの大切さを述べていました。

言うは易し、行うは難しですが、 これは実行したいと思いました。

まだ読んでいる途中ですが、 ヨガの教えともつながっていたし、 私のことを心にかけて下さっていたTさんと、たまたまこのようなお話になったので、 書き留めておこうと思ったのでした。

| | コメント (0)

佐原 雛めぐり、 家庭画報 連載 「シルクロードを行く」

銚子・犬吠崎・佐原へドライブ #6 佐原 その1小江戸散歩」の続き、というか、ちょっと小休止。 明日は雛祭りですので、まずは雛祭りらしい話題です。

夫と私が千葉県の小江戸、水郷の町 「佐原」 にドライブに行ったときには、ちょうど 「佐原おかみさん会」 が中心になってやっている、 「さわら雛めぐり」 が開催されていて、各商家や、伊能忠敬旧宅で、可愛らしいお雛様が飾られていました (平成21年2月5日から3月22日(日)まで)。
★詳しくは「佐原まちぐるみ博物館」のサイトをご覧下さい。

伊能忠敬旧宅に飾られていたお雛様。
012_090214_to_15_239

伊能忠敬記念館のお隣、伊能忠敬ゆかりの店、「遅歩庵(ちぶあん)いのう」に飾られていたお雛様。
014_090214_to_15_217

015_090214_to_15_218

これまで、 このお雛様を大切にしてこられた人々の思いも、 このお雛様には込められていることでしょう。
私の実家のお雛様も、ちゃんと出して飾ってあげればよかったと、 今激しく後悔しています。。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

ところで、 今週は、今日だけ晴れの予報でしたので、 花粉症に耐えながら、 今日はせっせと洗濯&買い物。 明日の「雛まつり」 のことなど、うっかり忘れていたのでした。

そして、 今日発売された、今月の家庭画報に連載されている 「シルクロードを行く トルコ編 最終回」 を読んでいました。

執筆者の南里空海さんは、 私のヨガつながりの方。 実際足を運んで丹念に取材し、歴史をふまえて丁寧に執筆されている文章を読み、 また素晴らしい写真を見て、 はるかな歴史と文化、 その変転に、遠く思いを馳せていました。

そこに、「人は繭をとるのに、10キロ痩せる」 と書いてあるのを見て、 その想像を超える労力にも驚いたり、 また、 原色だけど、 絣模様の織物があったのに、 日本の絣の織物とのつながりを感じたり。
とても読み応えのある連載でした。

| | コメント (0)

松本清張 「日本の黒い霧」 「書道教授」 「真贋の森」、  中島誠之助 「ニセモノ師たち」

思わず時を忘れて、小説に没入する喜びを味わっている今日この頃。
昨今ありがちなハウツー本より、 優れた小説、 深い洞察、示唆に富むエッセーなどに夢中になるほうが、 よっぽど幸せになれるような気がしますが、 いかがでしょうか?

以下は、 最近読んで、非常に面白かった本の一部です。
090205

まずは、 松本清張の 「日本の黒い霧 (文春文庫)」 のうち、 名推理として知られる 「下山国鉄総裁謀殺論」。

恥ずかしながら、 私、この年になるまで 「下山事件」 をよく知りませんでした。
戦後日本を占領していた、 最高司令官マッカーサー率いる GHQの内部の G2 (民生局) と GS (参謀第二本部・作戦部)が、 激しい勢力争いをしていて、 謀略をめぐらしていたことも。

おそらく秘密裏に関係者から収集したであろう、 膨大な資料に基づき、 積み重ねられていく緻密な推理。
これまで闇に葬られていた事件に推理で挑む、 松本清張の並々ならぬ気迫を感じる名著です。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

次に、この「日本の黒い霧」の一部も掲載されていますが、宮部みゆき責任編集の 「松本清張傑作短篇コレクション (文春文庫)」。

ことに中巻にある、「書道教授」 が、凄っごく面白かった あぁ~、こんなにバッサリ、 鮮やかにヤラレターーーと思った本はそうそうないかも。

住宅街に、わびしく店を出している呉服屋。 その商品の横に並べられた名札、 その気品ある墨字で書かれた書に惹かれる主人公。 果たして、その呉服屋の正体は・・・。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

下巻にある 「真贋の森」 は、 実際にあった骨董をめぐる事件をベースにしたもの。

「なんでも鑑定団」のTV番組でもおなじみの 中島誠之助 著 「ニセモノ師たち (講談社文庫)」 には、氏が勇気をもって執筆された、 ニセモノ作りの数々が出ているけれど、 松本清張が、 中島先生のいう、 「気合が入って、非常に手の込んだニセモノ作り」 を、 巧みな心理描写を交錯させ、 小説として完成させたのが 「真贋の森」 。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

そして、 この中島誠之助 著 「ニセモノ師たち」 も、 そのあまりの面白さに、 ほぼ一日で読了しました。 掃除も、晩御飯を作るのさえも、 面倒くさくなっちゃうほどに(笑)。 もっとも、 掃除はともかく?晩御飯だけは、ほぼ毎日作ってますので、ご心配なく~。

すぐれたニセモノと、ニセモノ以前のものの違い。 なかでも、 あっぱれな人物は、 なんといっても 「渡正」のおじいちゃんでしょう(笑)。 江戸時代の多宝塔、あのエピソードには、 なんとも仰天。

店先に鮎の置き土産、 屈指の仏像コレクターだった超高級クラブの社長などのエピソードには、 その当時の中島誠之助先生に感情移入し、 ドキドキ感を味わいました。

骨董蒐集は、素人が生半可な安易な気持ちで始めちゃいけないものだということが、よぉーーくわかる本でした。

私のような素人が骨董蒐集をする際のアドバイスもあり、 至れり尽くせり。
もっとも、私は値の張る骨董蒐集をはじめる気持ちも財力も、 まったく持ち合わせてはいませんが(笑)。

できるかぎり、 出来のいいホンモノを見て審美眼を磨き、 中島先生のいう、 「新たな骨董」 を暮らしに生かして、楽しめればいいなと思っております。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

以上の本は、 もともと夫が買っていた本です。

自分が親しくお付き合いしている人や、興味を惹かれる人の、 非常にオススメの小説やエッセーを読むことは、 読書の幅が広がるだけでなく、 新たな世界に踏み入れるようなワクワク感があって、 とても楽しいものです。

さて、あなたは、 最近どんな本を読んで、夢中になりましたか?
ハウツー、 教訓モノは、 あえて禁止です

| | コメント (0)

青木玉 「着物あとさき」、 川上弘美 「どこから行っても遠い町」

最近読んだ&読んでいる本です。
一番左にある 須賀敦子 著 「ミラノ 霧の風景」 は、本日中に読了予定。
081224_morozoff

きのうの昼は、幸田文の娘さんの青木玉 著 「着物あとさき(新潮文庫)を読了。

お母様の幸田文の着物や帯、祖父の幸田露伴が遺した黒い羽織りを、 娘さんの青木玉さんが、染め替え、見事に甦らせる職人の技を写真付きで紹介。
実際に 「湯のし」「色抜き」 「雪晒し」 、機械で布を織っているところを訪ねたり。
昔は、家の庭先などで普通に行われていた 「洗い張り」 の思い出など。

受け継がれる着物たちには、いろんな思いが詰まっていて、それに思いを馳せつつ、職人の技によって、さらに愛着を持って着られるように甦らせる。
それを着ていた親への思い、 布への愛情が伝わってきて、心温まる思いがしました。

同じ新潮文庫から出ている 「幸田文の箪笥の引き出し」 も、 箪笥に詰まった母の思い、それを感じる娘の心が伝わってきて、 しみじみ。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

思い返せば、今年は、母から桐の箪笥を受け継ぐことができて、とても良かったと思います。
母の着物の何着かは、 私の寸法に合わせて直して、八掛を付け直したり、 居敷当てをつけたり。 あるいは、派手な着物をほどいた絹地で、長襦袢を仕立ててもらったり。

仕立て直しも案外出費がかかりましたが、 受け継いで着られるのが着物の良さ。
父や母に、着物のことを教えてもらったり、 着物をめぐっていろいろ語り合うことができました。

来年は、もっと着物を着る機会を増やして、両親にも、 出来あがった着物を見せないと・・・。

今年は延岡の夫のお母さんからも、私の誕生日に着物と帯を送って頂きました。
夫の両親が東京に遊びに来た際、 その着物と帯をつけて食事することができ、本当に良かったと思います。
この着物と帯は、いずれ折を見て、夫の姪っこさんにお渡しできればと思っています

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

真ん中は、 川上弘美 著 「どこから行っても遠い町」。

一見、穏やかに見える小さな商店街に暮らす人々。
でも、そこには一言では語りきれない、あたりまえではない人生の数々。
そして、 ますます川上弘美ファンの私。

川上弘美さまといえば、 以前、丸の内オアゾの丸善にサイン会に行ったときのことを、思い出します。
あんなにほっそり美しい方が、 奇想天外な話や、 心温まる話、 想像力をかきたててやまない話を書くのかと感嘆。
握手して頂いた思い出とともに、 川上弘美さまのサインは私の宝物です。

WEB本の雑誌 作家の読書道 第7回 川上弘美さん

| | コメント (0)

COW BOOKS 中目黒、 須賀敦子 「ミラノ 霧の風景」、イタリア版 NHKの「小さな旅」

ところで、 ついこの間も中目黒に行っていました。 でも、ランチの時間がとれず、「COW BOOKS」 に寄ったのみ。
★オフィシャルサイト http://www.cowbooks.jp/

コーヒーを飲みながら、古書をいろいろ品定め。
ここは、品揃えに独特のセンスがあって、お気に入りの古本屋さん。
以前から興味があった、須賀敦子さんの「ミラノ霧の風景」があったので、わーいと思って購入ました。
001_081211

もっとも、この本、「白水社 白水Uブックス 須賀敦子コレクション」にも所収されているのを知って、あららと思いましたが・・。

でも、おそらくは、ここで買わなければ出会えなかった本だったっていうことで、よしとしましょう。

この本は、著者が20代の終わりから40代のはじめまで、13年間生活してきたイタリアの思い出を書き綴ったもの。長年在住していた著者ならではの、人々との深いふれあいが描かれているのが印象的。
文章にも味わいがあり、 写真はなくとも、 まだ見たことのないイタリアの風景、 そこに暮らす人々の姿を、 心の中で思い描くことができます。

もっともこの間、BS朝日で、「イタリアへ・・ 須賀敦子・静かなる魂の旅」 を見たときは、 これが須賀敦子さんの見た実際の風景なのかと、 いた~く感動したのでした。

去年、今年と旅行に行ったイタリアの地、そしてそこに住むに人々のことを、 須賀敦子さんの本を通じて、 ますます親しみをもって感じることができました。

★以前書いたエントリー記事 「中目黒 「COWBOOKS」、美容院に行く

■COW BOOKS 中目黒

住所:目黒区青葉台1-14-11
TEL: 03-5459-1747

営業時間 1:00PM - 9:00PM
月曜定休
Googleマップ 地図&情報

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

イタリアといえば、 BS日テレで現在放映中の 「小さな村の物語 イタリア」 も大好きな番組です。 NHKでやっている 「小さな旅」 のイタリア版!?みたいで、 思わずじーんとしてしまったり。

「小さな旅」といえば、 このテーマ曲 (YouTube 小さな旅 -小湊鐵道編-) を聞いただけでも、 なんだかじーんとしちゃいます・・うるうる。

| | コメント (0)

「クォーレ 心の学校」 エドモンド・デ・アミーチス著、神田道子訳

この 「クォーレ 心の学校」 は、 ヨガのレッスンでご一緒している方からお借りして、まだ読んでいる途中の本です。
しかしながら、ここに出てくる子供や大人たちの立派で真に尊敬に値する姿に、いたくいたく感動し、ご紹介せずにはいらせませんでした。
★この帯にあるように、 この本は、 まさに 「心の原点にかえる!」。思わず自らの心の有り様を、 降り返えらずにはいられない本でした。
080709

この本は、イタリアの作家 
エドモンド・デ・アミーチス
著。 イタリアの小学4年生が書いた日記の形式をとり、父親がそれに加筆する形で書かれた本。 イタリア統一から20年後、1881年の始業式から翌年の夏までのことが描かれています。

日本のアニメでも有名な、 あのマルコが出てくる 「母をたずねて三千里」の原作なども所収された、1886年に出版された、イタリア児童文学の名作です。

いじめ問題ひどい格差子供たちの心打たれるエピソード、 尊敬に値する先生、 毅然と対処する大人たちなど。

児童文学のジャンルとされていて、 まさに 「道徳」の授業にうってつけ。
そして、これを読んだら、さぞかし 「イタリアの愛国心」が養われるんだろうなぁ。

でも、大人になっても、 いや大人になって、子供の頃のむじゃきな頃をすっかり忘れた今になったからこそ、 私には、 とても心に響くものがありました。

.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°

私は今、2回目のイタリア旅行の準備の 真っ最中。
イタリアのルネッサンス時代の芸術や建築、イタリア語、はたまたイタリアの食文化など、ついつい時間を忘れてしまうほど、本やウェブなど夢中の、今日この頃。
ちょうどこのタイミングで、この素晴らしい本にめぐり会うことができ、 さらにイタリアのことを、 もっと深く知るきっかけとなりました。

前回ローマに行って、 ヴェネチア広場にバーンと巨大に建てられていてオオッと思い、 その入口階段の所でジュースを飲んでいた外国人の女の子が、警備の警官にすごく怒られてたという (飲食禁止の場所なんだと思われる)、ヴィットーリオ・エマヌエレ2世の記念堂でしたが、そのイタリア初代国王のヴィットーリオ・エマヌエレ2世の大葬記念日、イタリアの戦争、イタリアのために命をささげた人々のことなども書かれており、大変勉強になりました。

あまりに感動したので、さっそく本を注文しました。
旅行後に、またゆっくり読もうと思います。

★文源庫webサイト クォーレ 心の学校」http://www.bungenko.jp/book/cuore.shtml
http://www.bk1.jp/product/02739880
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4903347052.html

| | コメント (4)

ダライ・ラマ 「死と向きあう智慧」

ヨガを始めて、 さらに精神的なことに興味を持つようになったのですが、 先日 susan さんがブログ 「home&dry」 で、 ダライ・ラマ 「死と向きあう智慧」 について書いていらしたので、 興味を惹かれて読んでみました。

070419

この本は、 ダライ・ラマ法王14世テンジン・ギャツォ が 「パンチェンラマ一世の17偈」、 死の恐怖を克服し、より高い境地へと至るための奥義について書かれています。

かなり深い内容ですし、 これからヨガの瞑想を深める上でも大切な教えが書かれていると思いました。

------------------------------------------------
ところで、 ダライ・ラマ法王14世は、チベット仏教の最高指導者。
2歳の時に、ダライ・ラマ法王13世の生まれ変わりであるとの認定を受け、4歳の時、法王に就任(「14世ダライ・ラマ法王発見の経緯と輪廻転生制度」)。 観音菩薩の生まれ変わりとされています。

映画 「地球交響曲 ガイアシンフォニー 第二番」 で気さくにインタビューに応じながら、 「慈悲」 「利他」 の心の大切さ、 「輪廻転生」 について語っておられた のが印象的でした。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
■以前書いたエントリー、「映画 「地球交響曲 ガイアシンフォニー 第二番」」

続きを読む "ダライ・ラマ 「死と向きあう智慧」"

| | コメント (0)

ジョン・グリシャム 「テスタメント」

つい2~3日前まで、仕事から帰ってきたら、掃除 or 洗濯機回して、休む間もなく晩御飯を作って、お風呂入って、朝もバタバタ・・の日々でした (すでに遠い昔のような気がするけど、 それはさておき)。 でも、 忙しいときほど時間をやりくりして、今までどうしても読めなかった本が読めちゃたりするんですよね。

*昨年8月頃、父から借りっぱなしだった、ジョン・グリシャム 「テスタメント」(新潮文庫、上・下巻)。

070216_001

莫大な遺産を遺して亡くなった狷介な大富豪トロイ・フェラン。残された一~三番目の元妻とその子供たち。
そのまた配偶者にそれぞれの弁護士 etc. あまりにたくさん名前が出てくるので、なかなか先に行き着けず。。

でも、上巻の 2/3 あたり、ブラジルのパンタナール大湿原まで相続人を探索すべく、アルコール中毒から更生中の弁護士が 次から次へと困難な試練に翻弄されるあたりから、猛然と面白くなってきて、あっという間に読了。

読後感もよし。 前半たくさん出てくる名前は覚えなくても、それほど差し支えなかったかも!?

----------------------------------------------------------

そういえば、名前がたくさん出てきて (今のところ) 挫折してる 「渋江抽斎」 を、 ふと思い出したりする。 しかも、 どこにあるかも不明だったりして。 来週には、本棚を片付けないと・・。

本棚が 「しっちゃか めっちゃか」 になってる件については、 先月後半の某深夜まで、 夫と、もう一人のKさんともに我が家にいらした 某Kさん にも指摘されていたのでした(笑)。(あの日は、先にお帰りになったMさんと、私もご一緒させていただいた岩手屋さん@人形町での飲み会、楽しかったですね。 また是非、我が家にもいらして下さいませ (^^))

| | コメント (4)

その他のカテゴリー

おすすめサイト お菓子 Sweets アニメ・コミック アロマテラピー Aromatherapy イタリア・ローマへの旅 2回目 Journy to Italy Part 2 Rome イタリア旅行 1回目 Journy to Italy Part 1 イタリア旅行 2回目 Journy to Italy Part 2 インド旅行 Journy to India ウィーン・プラハ旅行 Journey to Vienna and Prague ウィーン個人旅行 Journey to Vienna ウェディング Wedding ウェブログ・ココログ関連 オランダ・ドライブ旅行 Journey to The Netherland グルメ・クッキング ゲーム スペイン旅行 Journey to Spain スポーツ ドイツ・ドライブ旅行 Journey to Germany ニュース パソコン・インターネット ファッション・アクセサリ フランス・ドライブ旅行 Journey to France プラハ個人旅行 Journey to Prague ベルギー・ドライブ旅行 Journey to Bergium ヨガ Yoga ヨーロッパ・ドライブ旅行 Journey to Europe by car 1/2 ヨーロッパ・ドライブ旅行 Journey to Europe by car 2/2 ヨーロッパ旅行 Journey to Europe 1/3 ヨーロッパ旅行 Journey to Europe 2/3 今日のごんちゃん Today's Gon chan 住まい・インテリア 学問・資格 心と体 散歩 Take a walk 文化・芸術 料理 Cooking 旅行・地域 日記・コラム・つぶやき 映画・テレビ 書籍・雑誌 東京のレストラン Restaurants in Tokyo 着物 Kimono 経済・政治・国際 美容・コスメ 自転車 Bicycle 華道 The art of flower arrangement 趣味 音楽